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ジャンカ・コールドジョイント部の前処理について
けい酸塩系表面含浸材のジャンカ・コールドジョイント部への適用について

ジャンカ・コールドジョイント部へ適用する場合は下地処理が必要

下地処理:所要の性能が得られるように健全で平滑な下地とするための工程

土木学会「けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)」コンクリートライブラリー137号では、施工にあたり「前処理」の項目を設けています。その中で新設・既設構造物を問わず、以下のことを規定しています。


 


土木学会「けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)」より



 


【解説】 (1)および(2)について  特別な場合を除けば前処理を必要としないことが、けい酸塩系表面含浸工法の特長であるが、施工箇所のコンクリート表面および表層部の状況に応じて、以下の前処理を行う。なお、これらの前処理を行った場合には、けい酸塩系表面含浸工の施工面の健全性と平滑性が確保されていることを、目視等により確認しなくてはならない。


 


①下地処理


打継ぎ部や型枠等の目違い、コールドジョイント、豆板、浮き、木コン跡、漏水、断面欠損、ひび割れ、著しい凹凸、ぜい弱部等がある場合に、けい酸塩系表面含浸工法の適用によってコンクリートに所要の性能が得られるように、健全で平滑な下地とするための工程であり、コンクリート表層部の状況に応じた適切な方法で処理することが重要である。下地処理に用いる材料は、けい酸塩系表面含浸材の含浸を阻害しないものを選定する必要がある。


 


②劣化部除去


塩化物イオン等劣化因子を含有した部分のコンクリート、および中性化によりアルカリ性を失ったコンクリートや凍害等により劣化したコンクリートを必要に応じて除去する工程であり、適切な範囲を適切な方法で除去する。詳細については土木学会コンクリートライブラリー119「表面保護方法 設計施工指針(案)[工種別マニュアル編]断面修復工マニュアル」を参考にするとよい。


 


③断面修復工


劣化部を除去した箇所および欠損箇所を元の断面に戻すための工程であり、必要に応じて鉄筋等の防せい処理を行った後、適切な材料および方法で断面修復を行う。詳細については土木学会コンクリートライブラリー119「表面保護方法 設計施工指針(案)[工種別マニュアル編]断面修復工マニュアル」を参考にするとよい。なお、断面修復材を選定する際には、けい酸塩系表面含浸材の含浸を阻害しないものを選定する必要がある。


出典:土木学会.けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案).2012年.53頁. 5.5 前処理より


 


前処理をしない場合について


同指針(案)では、【けい酸塩系表面含浸材】をジャンカ・コールドジョイント部の補修材として規定していません。しかしながら予算,工期等の諸事情により【けい酸塩系表面含浸材】を補修材として検討することもあるかと思います。


【けい酸塩系表面含浸材】はコンクリートに含浸し、コンクリート表層部を緻密化する材料です。ジャンカ・コールドジョイント部をクラックと考えれば、それなりに閉塞することを予想できます。また劣化部分の背部に浸透し健全部位を緻密化することも予想されます。しかしながら効果は限定的なものと思われるので、同指針(案)に準拠した使用をお勧めします。


 


 


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